はじめに
「同じワインなのに、グラスを変えただけで味が全然違う…!」
——これは、私が業界に入ってすぐに体験した衝撃です。
レストランでリーデルの大ぶりなブルゴーニュグラスにピノ・ノワールを注がれたとき、香りがまるで“花束を鼻先に押し付けられたみたい”に広がって、思わず固まりました。
家では厚手の“なんちゃってワイングラス”で飲んでいたので、その差に愕然。グラスって、ただの器じゃなくて「味の翻訳機」なんだ…!と。
この記事では、数えきれないほどのグラスを仕事でも家でも試してきたプロが、初心者でも失敗しないワイングラス選びを解説します。
- 初めてワイングラスを買おうと思っている方
- とりあえず万能型を1脚だけ欲しい方
- ブランドごとの違いをざっくり知りたい方
- 将来「ブルゴーニュ用」とか言ってみたい方
1. ワイングラスで味が変わる理由
■ 口径と香りの広がり
- 大きいボウル:香りが広がる(ピノやネッビオーロ向き)
- 小ぶりボウル:香りを引き締める(カベルネやシラー向き)
💡 ちょっとトリビア
リーデル社は「グラスはワインの翻訳機」と言っています。実際に彼らは品種ごとにグラスをデザインしていて、「飲みやすい形」ではなく「ワインを正しく伝える形」を突き詰めているんです。
■ 薄さと口当たり
薄いグラスは飲んだ瞬間、液体がスッと舌に届きます。厚手だと、口に「フタ」をしているみたいで味がぼやけるんですよね。
😅 プロ体験談
展示会で高級ボルドーを分厚いグラスで飲んだとき、心の中で「これ本当にあのボトル?」とつぶやきました。犯人はワインじゃなくグラスでした。
2. 初心者におすすめ!万能型グラス
「まず1脚」を選ぶなら、万能型グラスでOK。
赤・白・泡までなんでも行ける“オールラウンダー”です。
- リーデル・オヴァチュア レッドワイン
→ 価格も良心的。飲み会やワイン会でよく見かける安心の定番。
- 木村硝子店 コンパクトシリーズ
→ 軽くて薄い。食卓にも馴染む日本ブランドの優等生。
⭐ あるある度:★★★☆☆
「万能型で十分!」と思っていたのに、半年後には“ブルゴーニュ用”とか“ザルト欲しい”とか言い出して、気づけば食器棚がワインバー化。
3. ステップアップするなら3種類
本格的にハマったら、この3つを揃えると一気にプロ感が出ます。
- ブルゴーニュ型(大ぶり):ピノ・ノワール、ネッビオーロ
- ボルドー型(縦長):カベルネ、メルロー
- 白ワイン用(小ぶり):ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ
💡 プロの豆知識
一流ソムリエでも「赤用・白用・シャンパン用の3種類あれば一生困らない」と言う人がいます。実際、ほとんどのシーンはこれでカバーできます。
4. ブランド別おすすめ
■ RIEDEL(リーデル)
世界標準。品種別シリーズも豊富で「グラス沼」への入口。
■ 木村硝子
日本の良心。シンプルで軽くて、レストランでも家庭でも愛される。
■ Zalto(ザルト)
憧れの超薄口。飲むと「液体が口に吸い込まれる感覚」。沼の最深部。
🥂 プロ体験談
ザルトでシャンパーニュを飲んだら、泡の細かさが別次元で「もう普通のグラスに戻れないかも…」と震えました。
5. グラスあるある失敗集
- 食洗機に入れて粉々(←何度かやらかしました…)
- 乾杯で「カチーン!」してバラバラ(ゲストが割ると気まずい)
- グラスが増えすぎて収納地獄
💡 解決法
- 手洗いは必須
- 2脚以上揃えて安心
- グラスハンガーを設置すればインテリア感もUP
まとめ
- グラスでワインの印象は劇的に変わる
- 最初は万能型1脚 → 慣れたら3種類(ブルゴーニュ・ボルドー・白)
- ブランドごとの個性を楽しむのも醍醐味
ワイングラスは、ただのコップじゃない。
食卓を“ちょっとレストラン級”に変えてくれる魔法の道具です。
まずは万能型から始めて、物欲に導かれるまま(笑)、次の1脚を迎えてみてください🍷。
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